財政破綻に関する記事について考えてみる.
はじめに
財政破綻しないとうたう記事って本当に最近よく見ます.もうこれでもかというくらい.
国の借金による世代格差はないとか,お金は無限に借り続けられるとか好き勝手言っている記事もあります.
さて,「本当にそうなのか」,「不都合な事実を隠したり,だまそうとしていないか」考えていきます.
そもそもなんで財政破綻しないとかっていう記事を出すの?
全く安全で問題ないならば,「財政破綻しない」についての記事なんて出さなくてもよいと思いませんか?
財政破綻する,しないの記事を書く側にとってのメリットって何ですかね.
- 営利目的(いわゆるお金をもらってかく場合.記事を書いてもらうことによって恩恵を受ける人が依頼する.)
- 営利目的その2(不安をあおったりする等の見出しを付けて,記事を買ってもらうため.ゴシップ誌が典型的なこれですね.新聞なんかもある意味そうか.)
- その他(ブログなんかは書きたいから書くとかではないですかね.)
近年はYouTuberなどの知名度のためなんかもあったりするので,一概には言えませんがざっとこんな感じですかね.
さて,財政破綻しない旨の記事を書いてあるところを会社を見ると(勿論すべてではないですよ!),執筆料をもらうって書くところがみられます.この執筆料を頂いて書いてもらう場合は次のような感じです.
- こんな感じの記事を書いてよとオーダーを出し,草案を作ってもらったり.
- 文字数などにより執筆料が決定し,依頼者が支払う
といった感じです.
さて,財政破綻しないといった内容の記事を書いてもらって得するのは誰なんでしょうね?自己責任論が強くなってきた現代の論調も併せて気になる.
「破綻はしないけど,円の暴落等を予期したりできず,生活が苦しくなるのは予想できたでしょう.自己責任です」となったりするのかしら.
じゃ,財政破綻すると思っているの?
結論を言えば,Noです.私自身,財政破綻はしないと考えています.ただ,これには裏があって,年金と同じだと思っています.
年金も破綻はしないと明言されています.じゃあ,支払額について明言されていますか?私は見たことありません.併せてiDeCoなんかも国が出していますよね?
これって,なんでだと思います?
- 「今払っている年金に対して,お前たちが受給するときには雀の涙だ.(数万円とか?)」
- 「iDeCoとか用意してやったから,自分たちで老後は備えろ.」
- 「雀の涙でも年金はやっただろう.破綻していないから嘘はいっていない.ノープロブレム.」
- 「何?払った額に見合わない?知らん.お前たちやその上の世代が問題を先送りにしたツケだ.」
- 「老後の金が足りない?自己責任」
ということかと思っています.
これと同様に,財政破綻はしないにしてもその時に,ひどい目にあうだろうなと思っています.
国は借金を無限にできるの?
前提からこの辺って間違っていると思うのですよね.
お金って基本的に有限だと思うのですよ.ハイパーインフレ起こす覚悟でお金を刷りまくらない限り.そんな中から,投資家にお金を借り続ければいいっている論を言っている人ってどうなのでしょう.投資家が投資するメリットって何ですか?ためらうことがあるとしたら何ですかというところの考察がまるまるないのですよね.そういう人たちの記事って.
投資家がいつもいつでも買い支えてくれると思っているのかな.
その辺の前提がすっぽり抜け落ちているので,やべぇ人が書いているなとしか思いません.だから,経済評論家や学者さんのいうことって現実離れしていると思っています.
例えば,資金繰りにやばくなったら,
その辺考えているのか.あえてそこに触れていないのか.まあ,真相はその手の記事を書いている人のみぞ知る.
世代格差ってないの?
もうこの手の記事もうんざりです.
大体の主張はこうです.
- 日本には約2000兆円の個人の金融資産がある.
- これは日本の借金約1200兆円を超える.
- お前たち若い世代は個人の金融資産を相続で引き継げるから問題ないだろう.
ということです.
さて,表面上は正しいですね.表面上は....
個人の金融資産がそれだけあるのならば,1世帯あたりはいくらなのか.平均としては1139万円(前世代)と期待できそうに見えますね.
60代に絞れば1635万円,70代以上ならば1314万円と十分にありそうです.
「なんだ大丈夫じゃないか.不安にさせやがってと思った方は,恵まれた家庭若しくは騙されやすい方なのでご注意を」
これはあくまで,平均の話です.中央値の話をする前に例を出しましょう.
Aさんは100円,Bさんは200円,Cさんは300円,Dさんは400円,Eさんが19000円のお金を持っています.4人持つお金の平均はいくらでしょうか?答えは4000円です.(あれれ,平均以上が一人しかいない.これが平均の怖いところです.)
これに対して中央値とは何か.5人いれば5人の中の持っている金額のうちちょうど真ん中に位置する人の金額,すなわちCさんの300円が中央値になります.
じゃあ,中央値で金融資産を見ていきます.
- 全世代 419万円
- 60代 650万円
- 70代以上 460万円
これが統計マジックを外した後です.この金を引き継がせてやるから,借金よろしくなというわけです.
今まで借金は高齢者の全員のために増やし続けてきた.でも,引き継がせる金は対してないけど,(一部の富裕層はしっかり持っているけど.)
借金の返済は平等にのしかかるからよろしく!というわけです.
正確には累進課税や相続税もあるためちょっと異なりますが,おおむねそんな感じです.
なので世代格差はないという手合いの記事は信じられないというのが私の感想です.
最後に
本ブログにおいては,最近よく見る「財政破綻しないとか」「世代間格差は存在しない」とかいう記事について考えてみました.
残念ながら自分の身を守るのは自分なので,このブログが皆さんの身の振り方などに役立てば幸いです.